東北コットンプロジェクト発足

2011.07.14

2011年7月14日、東日本大震災被災地の農業生産組合・農業法人とアパレル関連企業16社は共同で、「東北コットンプロジェクト」を発足いたしました。
「東北コットンプロジェクト」は、津波により稲作等が困難になった農地にて綿(コットン)を栽培、紡績から商品化・販売を参加各社が共同で展開する、農業生産者が中心となり農業から震災復興を目指すプロジェクトです。

東北コットンプロジェクト

プロジェクト参加各社/ブランド(2011年7月14日現在)
仙台東部地域綿の花生産組合,耕谷アグリサービス,全国コットンサミット,Tabio,URBAN RESERCH,kurkku,UNITED ARROWS green label relaxing,cher,全農 みのりみのるプロジェクト,大正紡績,CIAOPANIC TYPY,PLAY WORK,caqu,PRE ORGANIC COTTON PROGRAM,FRAMe WORK,plumpynuts,Lee,REBIRTH PROJECT,LOWRYS FARM

東北コットンプロジェクト概要

東北コットンプロジェクトは、東日本大震災からの復興を目指し、「農業再生」「雇用創出」「新産業」を目的に綿(コットン)の生産を開始いたしました。本プロジェクトは、被災地の農業生産者が綿を栽培し、アパレル関連企業が紡績・商品化・販売を行うことで復興を支援する共同プロジェクトです。原料である綿の栽培から綿製品の販売までの一連の工程をプロジェクト参加各社が「東北コットンプロジェクト」ブランドで統一して活動を行います。
初年度である2011年は試験栽培期間として、宮城県仙台市若林区荒浜及び名取市の2カ所にて栽培を開始しました。

東北コットンプロジェクト発足背景

稲作地帯であった荒浜地区・名取地区は、東日本大震災により用水路・排水路や排水ポンプ等、稲作に必要なインフラが全て(またはその一部)破壊された他、津波が農地を浸水し土の塩分濃度が上がったため、米の栽培に適さない農地になった恐れがあります。現在、一般的な塩害対策は、政府の支援のもと農地に真水を注入し代掻きを行い、土壌中の塩分を水に溶かして排水する作業が行われています。しかし、荒浜地区・名取地区は排水施設が破壊されているため、この塩害対策も実施できないところがほとんどです。このような被災農地の状況の中、震災復興、農業再生という目標に向かって、被災農家が耐塩性の高い「綿」の栽培を行うことを決意しました。綿栽培による農業再開は、仕事を失っていた農家の離農予防や雇用創出等にもつながります。このような動きに、綿製品の製造や販売を本業とするアパレル関連企業も、事業を通じて復興支援につなげることができるこのプロジェクト趣旨に幅広く賛同し、共同プロジェクトとして発足されました。

荒浜地区生産者:仙台東部地域綿の花生産組合 組合長 赤坂芳則氏 コメント

仙台東部地域綿の花組合のみなさん

東日本大震災による大津波で、家も作業場も機械も道具も全て流失、仙台東部地域の農業施設も崩壊。田んぼや畑も、瓦礫や塩害で作付け不可能になってしまいました。しかし、「この広大な農地をこのまま荒廃させてしまう訳にはいかない。一時も早くこの地を農業地帯として復興させたい」という想いから、その第一歩として、塩害に強いといわれる「綿花」の生産という自分達にとって全く考えても見なかった未知の農業へ挑戦する事になりました。
この地に「綿の花」という希望の花を咲かせ、全てを失い悲痛な思いで生活をしている被災者の心に明るい火を灯すとともに、一大産地化による新たな雇用の場の創出や地域の復興につなげたい。その為にも、アパレルのブランド、メーカー等、多くの関係者と力を合わせ、このプロジェクトを成功させたいと思います。

名取地区生産者:有限会社耕谷アグリサービス 専務 佐藤富志雄氏 コメント

耕谷アグリサービスのみなさん

3月11日の大震災により、76haの水田のうち9割が津波の被害を受け、瓦礫や塩害のため稲作は不能となり、耕作放棄の状態です。
この状況の中、このプロジェクトの提案、協力を受け綿の栽培に取組みました。なにせ、全てが未経験ですので、チャレンジする気持ちでスタートしました。荒廃した農地に一点の明かりを見出したところでございます。
今後の東北地域での農地・農業の復興復旧の一助になればと期待しております。

東北コットンMOVIE

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