活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

綿摘み開始式

2011.11.06

11月6日、名取市圃場、耕谷アグリサービスで「綿摘み開始式」が行われました。
あいにくの雨の中、関係者、報道陣が多数集まり、東北コットン初収穫を見守りました。

この日の綿花畑は、花も咲き、開いていないコットンボールも多く、綿が開いた状態になっているのはほんのわずか。収穫も少しだけでしたが、これから徐々に開いていくようです。

綿というのは、いっぺんに実って一斉に収穫、という植物ではないそうです。1ヶ月ほどかけて段々開いていくので、何回かにわけて摘んでいく、と実際に国内で手摘み栽培している方にもうかがいました。綿摘みの「開始式」というのは収穫というより、実りの始まりの意味なんですね。

震災後急遽始めた綿花栽培、名取の種蒔きは5月27日と、通常の蒔き時より1ヶ月遅いスタートでした。世界の綿畑を見続けている大正紡績・近藤さんによると「この状況の中としては、出来はいい」とのことですが、収穫もまだ未知数です。
しかし、農地の再生としては確実に進んでいます。耕谷アグリサービスは、津波被害で農地の9割が作付け不能となり、瓦礫の山で「耕谷ならぬ“荒野”の状態だった」(同社・佐藤専務)といいます。震災後の写真が貼ってありましたが、地震翌日は広大な農地一面が水没、1ヶ月後も瓦礫が手つかずで残っている状態でした。そこから綿花が成長し、花をつけ、実りを迎えたことが、震災以降の生活の励みになった、との生産者さんの言葉が印象的でした。

11月末には荒浜地区で収穫祭を予定していますが、こちらは台風被害の影響も大きく、生育が心配されています。他にも課題は多くありますが、まだ始まったばかりのプロジェクト、息の長い活動にしていきたいものです。