東北コットン、東松島で綿花の苗を植えました!
2017.05.27
東北の復興をめざし東日本大震災直後にスタートした東北コットンプロジェクト、7年目のシーズンを迎えました。仙台市若林区荒浜、名取市、東松島市の3ヶ所で、今年も綿花の栽培が始まっています。東松島農場では5月27日、綿花の定植作業を行いました。
農場がある東松島市は、仙台から約1時間、海に囲まれた自然景観、豊富な魚介類にめぐまれたエリアです。しかし先の大震災では1,100人を超える市民の方が犠牲になり、全世帯の74%の家屋が半壊以上という壊滅的な被害を受けました。沿岸の地域では現在でも造成、区画整理、圃場整備が進められています。
山を切り開いて作った東松島農場でも、排出した土は被災して地盤沈下した土地などに運ばれました。栽培をはじめた当初は山肌があらわで、畑にも切り株がゴロゴロと残るような場所でしたが、今では用水路も整備され、きれいに耕されてりっぱな農地になってきました。
東松島農場の綿花栽培は、昨年から松岡孝記さんが担当しています。苗は4月上旬からポットに種を播きビニールハウスで育て、すでに本葉も出て根もしっかり張っています。畑を見ると、60アールの畑の畝すべてにマルチ(雑草防止、保水のためのビニール)がしかれています。
「今年は2種類の種、合計7,200ほど播きました。畑は去年の枯葉などをすきこんでいます。マルチはトラクターを使って、2日ほどで貼り終えました」と、準備万端です。
定植の日は、約60名のボランティアが集まりました。朝まで雨が降っては止み、時折強い日差しが照りつけるなか、長靴、カッパ、軍手で作業開始です。マルチに苗を植える穴を開けるチーム、そこにポットを置くチーム、穴に苗を植えるチームにわかれて進めました。60センチ感覚で穴を開け、そこにポットからそっと外した苗を、根を崩さないようにていねいに植え付けます。植え方次第で成長にも収穫にも影響するということで、みんな真剣です!
雨でたっぷり水を吸った畑は、ぬかるんで足がずぶずぶ沈んで歩くのにもひと苦労です。長靴も脱げてしまって、裸足になる人も。約5,000株の苗を、午後3時頃までかけてようやく植え終わりました。
お昼には、地元の方が朝採ってきてくれた筍を天ぷらにしてごちそうしてくださいました。採れたての味は格別!疲れも吹き飛びました。地元の方とのふれあいも、ここに来る楽しみの一つです。
この日はこれまで以上に本格的な農作業となり、単なる体験ではなく、収穫のため、地元生産者さんのための手伝いをしている、という実感を持つ1日となりました。