活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

秋のワタ見会

2011.11.26

11月26日、荒浜綿畑で「秋のワタ見会」を開催しました。晴れ渡った空の下、生産者、関係者、そして地元住民の方々が一堂に集まり、交流を深める1日となりました。

綿畑の横には食べ物や遊びの屋台、テントが並び、仮設住宅を巡回するバスも運行。
チームメンバーが分担して運営にあたりました。
仮設住宅にお知らせを配ったのが1週間前で、どれくらいの方が参加されるのか不安もありましたが、巡回バスを待っていてくださる方、車で来られる方、続々と集まり、会場は大賑わい。
屋台にはすぐに行列ができていました。

この日の屋台メニューは、参加チームのクルックキッチンからローストポークや焼き牡蠣、キーマカレーなどのほか、地元イーストファームみやぎによるじゃがバターや豚汁、焼きもちなど盛りだくさんです。
荒浜名物にしたい、と聞いていたやきそばは、「海鮮入りあんかけやきそば」でした!
遊びコーナーの輪投げ、射的などの景品は、参加企業が持ち寄った靴下、ジーンズ、小物など。
何度も並んで常連?になるちびっ子、お店やさんになったアパレル社員のみなさん、どちらも盛り上がっていました。

近くの荒浜小学校はこの日午前中学芸会だったそうで、終わってから来たという家族連れの方が多くいました。
荒浜小は、今は他の学校を間借りしています。
仮設住宅住まいの方からは「みんなバラバラになったから、ここで会えると思って」「会議じゃない場所で会えるのがいいよな」という声も聞きました。
本来ならすぐ近くにお住まいの方々が、バスや車で来る場所になってしまっている。被災の深刻さを改めて実感しました。

東北で綿が育つかわからない、というところからスタートした綿花栽培も、いよいよ収穫のとき。
6月18日に種を蒔き、芽が出て葉が茂り、花も咲かせ、これから実を付けるという時期に、台風15号による冠水被害を受けてしました。
それでもがんばって実をつけた木もあり、少ないながらも「東北コットン」が、確かに生まれました。
綿の花生産組合、赤坂さんの「最高の収穫は、これだけ多くの人と知り合えたこと。これは宝であり、ひとつの大きな力となった。来年以降絶対に成功させよう、と組合員一同強い熱意で取り組んでいます」という挨拶に、チームメンバーも同じ思いを抱いたのではないでしょうか。
綿を見るのを楽しみにしていた、という地元の方の言葉からも、この地で綿畑が受入れられていく予感がします。

この日サプライズで登場したのは、小林武史さんと、一青窈さん。
一青窈さんはプロジェクトの活動に共感し、ライブで東北コットンの綿畑の映像を使っているとか。
そして現地に来て、本物の綿畑をバックに歌ってくれました。力強い歌声が広い空にしみわたるような、すてきなステージでした。

さて、当初より綿の収穫はこの日はしないとのことでしたが、急遽綿の木を抜くことになり、会の後半、参加者みんなで綿抜き作業を行いました。
実が付いた木を抜いて葉をとり、5本ずつ束ねる、そうすることで実を乾燥させて、後から綿と種を取り出すそうです。

砂地になっているせいか、綿の木は思いのほか簡単に抜けますが、葉を取り、束ねるというのはなかなか重労働。
大人も子どもも、地域の方もチームメンバーも総出で行い、日が傾きかけた頃にようやく抜き終わりました。
思いがけない農作業に、より一体感が強くなった気がしました。