活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

2015年度以降の荒浜圃場方針

2015.03.14

震災による津波被害が甚大であった仙台市若林区荒浜。すべてが流された土地に綿の種をまいてから、4年がたちました。荒浜で被災し、綿の栽培を担ってきた方々は、今では荒浜アグリパートナーズという地域の農業を担う会社を立ち上げ、荒浜の農業再生に向けて始動しています。きっかけとなった綿花栽培から、米・大豆中心の本格的農業へ。荒浜の農地は、復興の次の段階へ進んでいます。荒浜アグリパートナーズ代表の渡邉静男さんにお話を聞きました。

―今の荒浜の状況をおしえてください。
渡邉 圃場整備が再開しています。1区画が3000㎡から9000㎡に変更になり、それに伴い用排水路、暗渠排水路ももう1回整備しています。稲作だけでなく、大豆、畑作など大規模栽培していくための整備が進んでいるのです。

―荒浜アグリパートナーズの今年の計画は?
渡邉 今年は、約40haに米と大豆を作付けします。内訳は水稲21.6ha、うち飼料米4ha、大豆18.6haです。他に1haでねぎ、じゃがいも、にんじんなどの畑作、280㎡のハウス6棟で、トマト、きゅうり、なす、パプリカ、アスパラなどの野菜を栽培します。

―本格的な農業再開に向けて進んでいらっしゃいますね。
渡邉 何もないところから始めているのでまだ余裕はありませんが、少しずつととのえつつ進めています。会社は役員以外に社員4人、パート1人となりました。今度、農林水産省の六次産業化事業の認定を受けることになり、これによって味噌、漬物などの加工品も充実させて収益をはかっていきます。
生活の方でも、ようやく仮設住宅から畑の近くに転居することになり、落ち着き始めています。

―綿花栽培は、モニュメント的に行うとのことですね。
渡邉 ハウス1棟と、2反(約20a)ほどの畑に植えようと思っています。これは基本的に、これまで手伝ってくれた方々や学校、仙台市内で綿花に興味のある方などに管理していただくようなかたちで栽培できればと思います。荒浜アグリパートナーズは、荒浜の農業復興をめざしていますが、軌道に乗るにはまだまだ時間がかかります。今は本業である米、大豆に力を入れ、再開のきっかけとなった綿花は、小規模ながら絶やすことなく続けていければと思っています。

―荒浜の綿花を応援してきたみなさんに、メッセージをお願いします。
渡邉 これまでのようにボランティアを募集して集まっていただく、という形はとりませんが、見に来ていただいたり、栽培体験をしていただいたりする環境は続けていきたいと思います。綿花は荒浜アグリパートナーズ発足のきっかけであり、復興のシンボルで、それはこれからも変わりません。多くのみなさんにご支援、応援していただき心から感謝しています。