活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

大正紡績見学

2012.03.02

3月2日、名取・荒浜の生産農家が、大阪にある大正紡績の紡績工場を見学に訪れました。「綿がどのように糸になるのかを一度見てみたい」という生産者の希望により実現したものです。 当日はあいにくの雨に加え、仙台空港が霧のため予定していた便が欠航というアクシデントがあり、急遽新幹線を乗り継いで向かうことに。午前中に奈良にあるタビオの工場見学、その後大阪に移動という予定が、直接大正紡績入りというスケジュールに変更になってしまったのは残念でした。

大正紡績は、阪南市という、和歌山に近い地にあります。名前の通り大正時代の創業とのことですが、大阪は古くから繊維産業が盛んなことをあらためて実感します。大阪市内から海沿いに南下していくと船場、泉州、岸和田など、繊維業が盛んな地区が連なっており、タオルや靴下、布団など街ごとに特色があるのだとか。港に近いため、輸入原料が入りやすく地場産業が栄えたのですね。大正紡績のある尾崎駅のホームも、ほのかに潮の香りがしました。

この日は、名取から6名、荒浜から8名が参加、他にアパレルなどのメンバー数名も加わりました。全員、初めての紡績工場見学です。工場内は機械の騒音で声が聞き取れないとのことで、イヤホンを付けマイクを通して説明を聞きます。 まず最初は原料の綿花置き場へ。綿花はほとんどが輸入で、220kgの大きなかたまりになって運ばれてきます。これを混打綿機に投入してゴミ等を除きながら、かたまりから太く長いヘビ状に伸ばしていきます。さらに梳綿機、練条機と機械を次々に経てどんどん細くしていき、粗紡機でうどん程度に。その後精紡機で1分間に12000回転という速度で一気によりをかけて巻き取り、10倍から30倍の長さにすると、私たちが見慣れた糸の姿になってきます。各工程ごとに膨大な数の糸巻きが並び、高速で回転していく様は、圧巻です。

今年プロジェクトで穫れた綿は、この広大な工場で扱われている量を見ると、ほんのわずか。倉庫に並ぶ大量の輸入綿花や、はるか先まで居並ぶ紡績機械に圧倒されましたが、最後に、つい先日収穫した綿を、混打綿機にかける作業が体験できました。名取、荒浜、それぞれで育てた生産者が、自らの手で機械に入れたコットン、それがやがて糸や生地のもとになっていくと思うと、感慨もひとしおです。「この程度のゴミは機械で取り除けるのか」「乾燥が不十分だったものは?」「名取と荒浜で違いがある?」など、生産農家さんからも質問が相次ぎ、ものづくりへの熱意が伝わってきました。

見学後も、今年の畑作りをどうすればいいか、他の産地ではどうしているのか、など綿づくりに関する話題が絶えません。会議室にあった世界の綿花畑の写真や生地のサンプルを見ながら「これくらいの規模にしなければね」「こんな布見てたら、かっこいいのを作りたくなる」と、夢も広がります。東京カワイイじゃなくて、仙台カワイイを作ろう!、なんて盛り上がったり。普段あまり交流のない農家、メーカーがより近づき、チームの一体感も強まってきたことを感じた1日でした。