活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

2012年種まき

2012.05.19

いよいよ今年の綿栽培が始まります!
5月12日に名取、19日には荒浜で、綿の種まきを行いました。

本来なら2ヵ所とも12日に行う予定でしたが、豪雨のため荒浜地区の堀の水位が一杯になり圃場の水が引かなかったため、急遽1週間遅れての実施。自然には逆らえません。名取の方は強風の中、近くの農業高校の先生や生徒さんも参加して、予定通り行うことが出来たそうです。

荒浜の種まきには、チーム・関係者以外にも県内外からの有志の方合わせ、計300人もの参加がありました。地元の大学を通じて、近くの団体の募集を見て、ネットで検索して、など色々なきっかけで集まってくれたとのこと。少しずつ東北コットンが地域に根ざしてきているんですね。

仙台駅から大型バスで現地に向かい、まず降り立ったのは、畑から少し離れた荒浜小学校の前です。この地帯では唯一残っている建物です。そこから海に向かい、慰霊塔が立つ場所で、綿の花生産組合副会長の渡邉さんから荒浜地区の震災の状況についてお話を聞きました。

高さ12mの松の木を超え、小学校の3階まで達した津波が、約800世帯の住居を破壊し187名の命を奪うという想像を絶する災害。一部始終を間近で見つめていた渡邉さんの言葉は重く、身の引き締まる思いでした。その現実を目で見て、体で感じてほしい、との生産農家さん方の思いをかみしめながら歩いた畑までの道のりは、参加のみなさんにも深く心に残ったのではないでしょうか。

綿畑は、海から30分ほど歩いた場所に広がっています。昨年より大幅に拡がり、5.5haほどになった圃場のうち、約2haが本日作業するエリア。雑草を防ぐための生分解マルチというシートがかけられた部分に種をまいていきます。50人ずつ班を作り、農家さんの指導のもと、印を付けたひもを押さえる人、マルチに穴をあける人、種をまく人などに分かれます。一つの穴に2粒、その上に種の2、3倍の土をかけて、固まりになった土を被せないように、となかなか繊細な手作業です。畑はとにかく広い! 午前中いっぱいかけても担当の分が終わりません。

午後はマルチ部分の残りと、急遽畑を耕して、直接土に種をまく平まきも行うことになりました。昨年と同じように、みんなで横一列に並んで、ひもの印を目安にまいていきます。「みんなまき終わったら立ってー」「ひも、移動しますよー」とリーダーさんがメガホンで合図をしながら、一歩ずつ前に進んでいきます。種をあまりくっつけないように、深すぎないように、一粒ずつまいていく作業は、ゆっくりゆっくり進みます。まきながら「こんな小さい種から綿ができるんですね」「芽が出ますように」なんてお隣同士話しながら、畑への愛着も、一体感も芽生えてきたような気がします。

この日まき終わったのは全体の半分。残りは生産農家さんにがんばっていただくことになります。よろしくお願いします。畑の様子は、綿の花生産組合の喜田さんのブログで見ることができますよ!

昨年の種まきは6月18日、今年は1ヶ月早いので、きっともっと育ってくれるはず。そんな願いも込めて、最後のあいさつは、「育て!」の掛け声とともに一本締めで終わりました。参加者には生産農家さんから、綿の種をおみやげにいただきました。家で育てて、荒浜の綿のことを思い出して、と。はい、早速まきましたよ! 

今年が本格スタートとなる東北コットンプロジェクト、みんなの手で育てていきましょう!