活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

東北タクト工場見学

2012.06.05

昨年種を蒔き、育て、収穫した東北コットンが、いよいよ製品となってお目見えします。
急ピッチで製造している最中、デニムの縫製工場見学が行われました。

初年度の収穫量は予定を大幅に下回る80kgほどでした。この綿を他の産地の綿に混紡し製品化することになり、デニム、ポロシャツのアパレルと、タオルやストールの雑貨を、それぞれのチーム企業が企画製造しました。そのなかでデニム担当は、リー・ジャパン。リー製品を作る工場は国内に5ケ所ほどあるそうですが、東北コットン製品を縫製したのは宮城県栗原市にある、東北タクトです。栗原市は、東日本大震災で全国最大の震度7を記録した地域。同社の工場も、天井が崩れ配管が壊れるなどの被害で1ヶ月操業できなかったそうです。宮城県で穫れた綿を、同じ県内で縫製するーー復興を担うとともに新しい産業が生まれています。

この日は荒浜の生産組合数名と地元メディア十数社が参加、東北タクト2ヵ所の工場を回り、布の裁断から縫製、ポケットやタグ、ネーム付けまでに至る一連の工程を見学しました。まずはロールになったデニム生地を延反機という機械にかけ、長さ4メートル程に65枚に重ねた状態でカット、その後型紙を重ねてそれに合わせて電動カッターでパーツを裁断していきます。型紙を出さずに自動裁断機でそのままカットするのが普通とのことですが、今回は職人さんの手作業です。カットした布地は不備がないか1枚ずつ目視でチェックされます。職人技にしばし見とれました。

このデニムは、緯糸(よこいと)に16%、製品全体として5%の東北コットンが混紡されています。生地のミミの部分をよくみると、東北コットンカラー、水色の糸が1本入っています。東北の綿を使っているシンボルが、こんなところに発見できます。

生地をじっくり眺めた裁断工場でしたが、縫製工場は、様々な機械が並ぶ賑やかな現場です。小股、尻巻、脇コバ、スソ巻き……などの工程ごとに担当の方々が作業し、製品が機械で流れてゆき、最終的なジーンズのかたちができあがってきます。ここでは1日1500〜1800本のジーンズが作られているとのことで、おびただしい数のデニムが移動しているのですが、東北コットンデニムもその中にありました!

後ポケットにTOHOKU COTTONの黒いタブ、前ポケットの裏側にはロゴマークと、産地や製造過程が記されたネームタグが縫い付けられています。ネームタグのCOTTONの欄の最初には、「MIYAGI JAPAN 5%」の文字。紡績の大正紡績、縫製の東北タクトの名前もしっかり入っています。初めてデニムを手に取った農家さんたちもいい笑顔です!

初めての東北コットンプロジェクト製品は、6月23日東京、24日仙台でデビューします。アパレルのもうひとつの目玉商品、ポロシャツ工場の写真も届きました。東京ではこれらの製品を身にまとった生産農家さんがモデルとして登場するファッション&トークショーもありますのでお楽しみに!

ちなみに、下の写真は先月荒浜に蒔いた種の様子です。すでに雑草が猛威を振るっています……来年もっと製品をたくさんお届けするために、がんばって育てていきたいですね!