活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

製品発表イベント

2012.06.23

種まきから1年、東北コットンが、服やタオルになりましたよ!

6月23日東京、24日に仙台で製品発表イベントを行い、東北コットン製品を初めてみなさんにお披露目しました。

東京ミッドタウンで行われたイベントは、「東北コットンランウェイ」と題して、アパレルフラントとコットン生産者によるファッション&トークショーと製品販売が行われました。いつもは圃場で農作業にいそしむ生産農家さんたちが、モデルとして自ら育てた綿からなる製品を身にまとい、スタイリングしたアパレルチームのメンバーとともに登場するという、このプロジェクトの活動を表すようなランウェイです。

トップバッターは、名取市の耕谷アグリサービス、佐藤代表、佐々木さん、佐藤さん。ユナイテッドアローズグリーンレーベル、アーバンリサーチ、無印良品のみなさんとの登場です。

白いポロシャツにオレンジのさし色、綿花の白と空の青のイメージなど、さわやかなスタイリングです。現場で作業にあたっている耕谷アグリのおふたりは、「実際に着てみて、感無量です。台風のように強い雨に弱く、自分たちなりに水を抜く作業を雨が降るたびに行っている状況です」(佐藤さん)、「着るものの原料を作るのは初めてだったので、気持ちが違います。みなさんの思いが集まって、力をあわせて播種したので、台風で倒されてしまっては申し訳ない。雨の中スコップで溝を掘ったりしてなんとか排水をしています」(佐々木さん)と、綿花栽培への思いや現状を語ってくれました。

続いてのモデルは、高校生です!この春からプロジェクトに参加している、宮城県農業高校3年生の竹田君と長崎君が、フェリシモとローリーズファームのスタイリングでランウェイを歩きました。

今年名取、荒浜の種まきを体験し、ぜひクラスで取り組みたいとプロジェクトへの参加を表明した宮城県農業高校の阿部先生が、生徒さん4名と一緒にこの日のためにやってきてくれました。クラス全員で、一人一鉢綿花の栽培に取り組み、綿を収穫したらプロジェクトに提供してくれるとのこと。綿の生産者としての参加です。 ベーシックなデニムにカジュアルフォーマルのシャツ、素足に革靴というお洒落スタイルの竹田君。相撲部の体格を生かした、みごとな着こなしではないでしょうか!「自分たちが植えた種は、発芽したばかり。これから収穫して、コットンを使って、被災した人に使っていただければと思います」と語ってくれました。ロールアップしたデニムと花柄のシャツ、キャメルのカーディガンを羽織った長崎君は、は、「コットンは宮城県では作っていないけど、自分のクラスで作って服などに使ってもらえればうれしい。これからもこういう企画をどんどんやって、苦しんでいる人たちを幸せにしたいと思いました」と力強いあいさつ。「気持ちは伝わりましたかね?」と心配されていた阿部先生、伝わりましたよ!

最後は仙台荒浜から、仙台東部地域綿の花生産組合の松木さんご夫婦が、フレームワーク、リー・ジャパンのスタイリングで登場です。

お二人とも白のトップス、ネイビーのボトムスで、ランウェイでは別々の登場でしたが、ツーショットも素敵でした。「着心地がよくていいですね」「肌触りがすごくいいんです。着てみないとわからないので、ぜひよろしくお願いします」と息もぴったりのナイスカップル。松木さん、「荒浜のジェームス・ディーン」と言われていましたよ!

最後にステージ上に全員並んで、プロジェクトの経緯や今後の豊富を語ってくれました。耕谷アグリサービス代表佐藤さんは、「綿の花が白から赤に変わり、コットンボールができ、中から膨らんだ綿に初めて指でさわったとき、とてもあたたかく、感慨深いものでした。震災で犠牲になられた方々を思い……。綿との出会いによって、おかげさまで被災農地の7割をなんとか復旧し、2年ぶりの田植えをすることが出来ました。復興に向けて勇気をいただきました」と、声を詰まらせながらのお話でした。綿の花組合の松木さんも、「家もない、機械もない、道具もない、何をやっていいかわからなくて途方に暮れていたときに話が来て二つ返事で参加しました。農家が農家らしい仕事をしなければ農業は始まらないので、一生懸命頑張って道筋を作っていこうという気持ちで一杯です」と、生産者としての思いを語ってくれました。

アパレル側から、リー・ジャパンの細川さんが今年の製品について、「予定した1/10しかできず、東北コットンの糸の混入率はポロシャツ、ジーンズで5%、タオルだと2%程度。貴重な綿を、阪南市で紡績し、ポロシャツは和歌山、タオルは今治、デニムは宮城県栗原市の縫製工場で縫いました。来年、再来年に向けて、50%、100%をめざしたい」とあいさつ。この日はイベントの企画、設営、販売など、チーム員総出で臨みましたが、メンバー一同、これからが始まりという思いを強くしていたのではないでしょうか。長い列を作ってお買い上げいただいたお客様、ありがとうございました!

ミッドタウンから什器をそのまま運んで、翌24日は、仙台での販売イベントです。製品数が少ないため、webでの限定販売となり、仙台で直接手にとっていただけるのはこの日だけということもあり、農家、そしてアパレルみんなが集まって、直接気持ちをこめてご案内しました。会場のエスパル仙台では、館内放送や駅からの出入り口に大型看板が設置され、他の店舗でも好意で宣伝していただき、感謝です!

イベントのことを知らずに通りがかるお客さんの反応はすこぶるよく、みなさん写真パネルを見て、チラシを手に取ってくれました。多くのみなさんがタオルなどを手に取って肌触りを確かめ、若い人にはジーンズが人気。地元仙台で、東北コットン愛用者が増えてくれたら、うれしいですね。

この日は、仙台放送「あらあらかしこ」のメインパーソナリティー牧野隆志さんをMCに迎え、「東北コットンプロジェクトトークショー 荒浜がどう立ち上がったか」と題して綿の花組合副会長渡邊さんがお話ししました。沿岸部の被災農家取り組みを、県内の多くの方々にもお伝えし、プロジェクトを知っていただく機会でした。

これまで綿畑から、また製品工場からレポートをお送りしていましたが、ようやくみなさんのお手元に東北コットン製品そのものをお届けすることが出来ました。来年はもっと多くのみなさんに手に取ってもらえるように、綿もチームもがんばっていきます!