荒浜収穫祭
2012.11.17
11月17日、荒浜圃場で綿の収穫祭が行われました。
1年前の同じ頃、初めて栽培した綿花はまだあまり開かず、本格的な収穫は年が明けてからでした。でも今年は違います、広くなった畑を見渡せば、白い綿があちこちに広がっています!
昨年より格段に面積の広がった荒浜の綿花畑、草取りが追いつかず雑草に覆われてしまった部分もありますが、無事に育った木は、次々に実りを迎え、コットンボールが弾けています。白く、もこもこした綿は、指でひっぱるとふわーっと伸びて、みんな思わず笑顔です。収穫の喜びって、これなんですね。
この日は総勢400人ほどが参加しましたが、その顔ぶれも広がりを見せています。収穫祭のポスターは、荒浜小学校の5年生が畑にスケッチに来て描いてくれたものです。授業の一環として取り組んでいる南吉成中学校の中学1年生も、夏の草取りに続き、来てくれました。種まきから始まり、連日の夏の草取り、ビニールハウスの組み立てなど、作業を手伝ってくれたボランティアのみなさんも全国各地から集まっていました。いえ、海外からも!青年海外協力協会(JOCA)を通じて、被災地の復興の取り組みを体験に来たASEAN諸国の若者たちです。地域、近隣の方々、縁があってつながった人や団体、地域内外からさまざまな方々が駆けつけてくれました。生産農家さんたちがたくさんのつながりを増やしていて、この活動が徐々に地域に根ざしていることを感じます。
収穫祭のイベントも今年はバラエティゆたかです。飲食ブースには、プロジェクトチームが担当した豚汁やポークソテー、カレー、パンケーキなどのほか、南吉成中の保護者の方々が用意してくれた焼きそば、静岡を朝一番に発ち、お茶農家さん自らが淹れてくれた新茶、威勢のいい音をあげていたポン菓子などで、楽しませてくれました。 興行の部も盛り沢山。「すこっぷ三味線」というユニークな楽器で復興支援活動をしている石巻の瀬戸公美子さんの演奏には、綿の花生産組合赤坂さんのお孫さんも登場。JOCAのみなさんによる歌「上を向いて歩こう」、南吉成中1年生全員の合唱「花は咲く」は、どちらも胸を打つ響きでした。両曲ともこの1年何度も耳にした曲ですが、復興をめざすこの場所で聞く調べに、みなさん特別な思いを抱いていたのではないでしょうか。
さて、合唱の余韻に浸っていると、何やら白い舞台がセッティングされ……完成したのはプロレスのリングです!登場したのは女子プロレスのLLPW-Xの神取忍選手、井上貴子選手、センダイガールズプロレスリングの里村明衣子選手など、そうそうたる顔ぶれ。急遽リングアナになったチームメンバー、フェリシモ児島さんの絶妙なアナウンスで、熱い戦いが始まりました。バスで帰ろうとしていた中学生たちも思わず目が釘付けになり、1試合だけ観戦していましたよ!すぐ目の前での戦いは、技も、ジャンプの高さも、ぶつかりあう音もすごい迫力。途中場外で観客の子どもを襲来?する場面もあり、それらも含め、みんな惹き込まれていました。仙台拠点のセンダイガールズはもちろん、LLPW-Xも被災地での試合を積極的に行っているそうです。神取忍さんは「プロレスを通じて、何度でも立ち上がっていくことの大切さを伝えたい」と復興を応援するメッセージを力強く語っていました。
また新しい出会いがあり、仲間が増えている東北コットン。少しずつ、長い時間かけて開いていく綿の収穫も、まだまだ続きます。