活動レポート東北コットンプロジェクトの活動レポートです。

2013年収穫ー名取

2013.11.09

東北コットンプロジェクト、3年目の収穫を迎えました。
荒浜、名取、そして東松島で各圃場の生産者が綿花栽培に取り組み、それぞれの実りの姿を見せてくれました。今回から3ヵ所の収穫の様子をお伝えしていきます。まずは、最も早く収穫を行った名取圃場をご紹介します。

名取の耕谷アグリサービスでは、11月9日に収穫感謝祭が行われました。といっても、これは耕谷アグリの中心となるお米の収穫を地元の方々と共に祝う催しで、昨年行われた綿花の摘み取りなどはありませんでした。なかなか見る機会の少ない名取の綿花畑が気になりこの日お邪魔してみると……見事な実りを迎えていました!

圃場の綿花はすでにきれいに根元から刈り取られ、コットンボールをつけたまま、ビニールハウスの中で干されていました。ハウス内を埋め尽くす綿木の様子は圧巻です。また今年からハウス内での栽培も始め、そちらは根を張りながらたくさんの実をつけ、白い綿がこぼれんばかりにはじけていました。2メートルほどの木1本に、50〜60個ほどの白い綿が咲いているような姿に、取材陣は大興奮でした。

この実りには、綿花栽培担当の佐々木さんの努力があります。今年露地の綿を早々と抜いてしまったのは、10月中に霜注意報が出たからとのこと。昨年は12月までコットンボールが開くのを待っていたら、半分くらいが開ききらず腐らせてしまったとか。そこで今年はすべて前倒しで栽培を行ってきたそうです。

「目標は開花の促進でした。開花を早められれば、蒴果も早まる。それで育苗の段階から工夫して、2年目に8月3〜4日だった開花が、今年は7月10日頃になりました」と、佐々木さん。育苗は昨年より一回り大きなポットを使って4月頃からハウス内でヒーターで加温して育てたり、木が生長しやすく作業効率もよくなるように畝間を広げたりと、さまざまな取組みを行っているとのことです。

2年間の経験を生かして栽培も効率化し、見事な収穫を迎え、成功しているように思えますが、ここに至るまでの苦労を聞くと、手放しで喜んでばかりはいられません。マルチがけなど工夫をしても雑草は確実に増え、夏の間は連日草取り、実をつけた綿木の刈り込み、干したあとの綿の取り出しなど、すべて手作業です。佐々木さんは、効率化、収益力をあげる方法などを考えたいとしながらも、「継続して、いいものを作りたい」と前向きでした。一緒にいいものを作っていけるよう、プロジェクトの知恵を集めていきたいですね!