2013年東松島収穫祭
2013.11.16
今年から綿花栽培を開始した東松島農場では初の収穫を迎え、11月16日に収穫祭を行いました。
山を切り開いた土地での初めての綿花栽培、果たしてどんな成果になったのか、期待を抱いてプロジェクトメンバーや近隣のみなさんが大勢集まりました。
綿花畑は、はじけた白い綿が広がる、という光景にはなっていなかったものの、しっかりコットンボールをつけた綿木で埋め尽くされていました。近くで見てみると、背丈は1メートルほどと高くないものの、かなり大きな実をたっぷりとつけた木が並んでいます。春にはただ茶色の地面が広がっていたこの土地で、綿が根付き、実をつけてくれました!
収穫は、はじけているものは綿だけ摘み取り、あとはコットンボールだけはさみで切り取っていくことになりました。広い畑だけに、取りこぼしのないように、畑の端からみんなで一斉に実をとっていきます。木の下の部分の方が栄養が行き届いて大きい実になるそうで、かがみながら実を探して切り取り、回りのヘタの部分をむしって、となかなか重労働です。この日参加者は300人ほどでしたが、みんなで午前中一杯かかっても、進んだのはようやく半分程度。堅い実は倉庫に広げて乾燥させ、綿が開くのを待ちます。どれくらいの収穫量になるのか、楽しみですね。
作業の後はいよいよ収穫祭。イベントや食事が盛り沢山でしたが、この日は地元東北のパワーが満載でした。オープニングを飾った東北楽天ゴールデンイーグルスの公式チアリーダー、東北ゴールデンエンジェルスのパフォーマンスは元気一杯、東松島農協婦人部愛好会のスコップ三味線の演奏も大いに沸きました。プロジェクトチームには最近東北の企業の参加も増えていますが、そのひとつ阿部蒲鉾店は、一部の商品に東北コットンの茎を織り込んだパッケージを使っています。この日はその「厚焼笹」を参加者全員にプレゼントしていただきましたよ!
じゃがバター、玉こんにゃく、綿あめ、コロッケなどが並ぶ屋台も、ほとんどが地元の方々によるものです。威勢のいい掛け声で焼き鳥や焼きいもを焼いていたのは、いしのまき農協青年部のみなさん。これからの農業の担い手、頼もしいですね。農場のすぐ近くにあるグリーンタウンやもと応急仮設住宅のみなさんのブースには、ソーセージや焼き牡蠣。「ほんとは自分たち用に買ってたんだけど」という雄勝の牡蠣は極上の味わいでした!「震災のときお世話になって恩返しがしたいから」と、援助してくれた方々と一緒に企画・制作している手作り品を全国各地に出向いて販売するなど「忙しくて、被災者であること忘れちゃうんですよ」と明るく話されていましたが、2年半以上も仮設住宅住まいをされているご苦労を、あらためて感じます。
この日は「糸紡ぎ体験」というちょっと目先の変わったブースがありました。種まきからボランティアで参加している石川紗織さんが仲間たちと準備したもので、綿から手で糸を紡ぎ、小さなクリスマスリースを作るワークショップです。石巻で機織りや糸紡ぎをしている加納ちか子さんも、本格的な糸紡ぎ機をスタンバイ。綿から自分の手で糸にできるなんて!大人も子どもも無心に取り組んでいて、みんなますます綿が好きになったみたいです。
チームメンバーも、カレー作りに、バンド演奏、カラオケ熱唱などで盛り上げ、楽しい1日を終えました。綿を通して人の輪が広がり、みんなが元気になった、素晴らしい収穫祭でした!